保育園の園長先生や理事長先生、会社の場合は社長などはみんな経営者です。その感覚が今までの保育園の運営に携わっていた人には少し戸惑われることが多くありますが、間違いなく経営者だと思っています。

「経営」とは方針を定め,組織を整えて,目的を達成するよう持続的に事を行うこと。特に,会社事業を営むこと。

こうやって見ると、保育園はそれぞれ人を雇ってそれぞれに担当を与えて子どもの保育を行っていますよね。「組織を整えて」は満たしています。
保育目標や保育方針をそれぞれの園は設定しているでしょうし、その目標や方針に従って、保育の計画、月案・週案・日案などをしっかりと作り込んでいると思います。ですので、「目的を達成するよう持続的に事を行うこと」も満たしています。

一方で、「特に、会社経営を行うこと」については該当しないところもあるかもしれません。社会福祉法人が営んでいる保育園などがそうですね。

ちなみに似たような言葉で「運営」があります。以前、近隣の保育園の園長先生がこんなことを言っていました。

我々は「運営」をしているんだ。市役所がしっかりと方針を決めて指し示すのが筋だ!

正直な所やや呆れましたが、こういった考えの園長先生は多いと思います。なぜ呆れたのか?「運営」と「経営」の違いはどこにあるのでしょうか?

「運営」とは組織や機構などを動かし,うまく機能するようにすること。

ポイントは経営には「方針を定める」がある一方で、運営にはそれがないことです。つまり、運営は誰かが決めた方針ややり方に従って、「うまくやること」が求められるのです。

果たして保育園の経営はそれで良いのでしょうか?

これまでの「措置費時代」であれば、「運営」をしていたのは正しいと思いますが、現在はほとんどの認可保育所が「委託費」または「施設型給付費」を受け取っています。そして、保育所保育指針が示す範囲内でそれぞれの保育園が保育目標や保育方針を立てて、それに従った保育を実施していると思います。そのことを踏まえて、本当に「運営」していると言ってしまって、考えることをやめてよいのでしょうか?

 

経営者勉強会ではこういった問題意識、経営者が向き合うべき課題、経営者として判断しなければならないときのフレームワーク等を一緒に勉強して、自園に来ている子どもたちやその保護者、地域住民など様々な利害関係者にとって「保育園があってよかった」と思ってもらえるような所になるための活動をしたいと思っています。

まずは自園にどんな課題があるのか?目の前の課題を共有することで、取り組む手がかりや解決の糸口が見つかるように出来ればと思っています。その先に「今までやろうと思っていたけど出来なかったこと」「やりたいと思っているけどやり方がわからないこと」を共有して、みんなで出来ていけばいいなと思っています。

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