卒園式・入園式、新年度の行事予定などとかなり忙しい時期になってきています。そういった時期のほうがやりたいことが頭の中に浮かんでくるというものです。

今のやりたいことを備忘録として記載しておいて、ふと振り返った時に自分を奮いたたせる形にできればと思っています。

実習生の受け入れ心得の作成

どちらの保育園でも実習生を受け入れていると思いますが、実習生の受け入れは園にとっては(現場の職員にとっては?)あまりうれしくないことなのかもしれません。

もちろん、人手が不足していてとにかく新卒でも「使える人材」を探したいが、お金をかけることが難しいという多くの園にとって、実習生は人となりが分かり「使えるかどうか」を知ることが出来る貴重な機会です。そういうメリットはあるものの、実習生の評価が必要なので、通常業務でも忙しい中に実習生の受け入れとかやりたくないというのが、現場の率直な意見なのかもしれません。

経営者的には実習生を受け入れることで、「教える」経験を積むことが出来、その時に自分の保育や自分の保育園の保育を見直すとても良いきっかけになるのではないかな?と思っています。

保育の世界は狭いことが多く、私のように地方都市の場合は転職経験の少ない保育士もたくさんいます。そうすると、自分の保育や自園の保育が本当にこれで良いのかを問い直すきっかけがないと独りよがりな保育になりがちではないかと思っています。

まっさらな実習生に率直な意見を聞ければ一番いいのでしょうが、実習生には「良い」か「悪い」かを判断できないため、自分たちで見直さなければいけない点で少ししんどい作業です。それでもより質の高い保育をしなければいけないと思っている園・保育士であれば、きっかけさえあれば不断の見直しができると思います。

それならば、実習生を受け入れる際にどのような心構えで取り組むべきか、実習生にとってもより良い実習経験になるために何をすればよいか、自習性から何を学ぶか、実習生に教えることで自分たちもどのような点を振り返ればよいかを心得としてまとめておけば、他の園でも使えるものが出来るのではないかと思います。

園内研修をキャリアアップ研修のマネジメントに昇華

マネジメントに馴染みに少ない保育園では「何のためにやっているのか?」を考えずに仕事をしている人がたくさんいます。もちろん中小零細企業であればそういった事業所はたくさんあるのですが、経営環境がこれから数年で激変し、悪化の一途をたどる業界である保育業界に置いては、自分の組織のマネジメントはとても重要になると思います。

これから先恐ろしいほどの不景気や失われた20年のような長期の景気低迷時期が再度訪れるのであれば、保育業界は安泰かもしれません。それでもマネジメントを理解している人が一人でも増えないと、いつまで経っても保育業界はブラック業界のままだと思います。

園内研修で職員に向けて人・物・金・時間のマネジメントを体得してもらうことは、そのまま他の園でも中堅からミドルリーダーに向けた研修として使えるはずです。どの園でも経営状況が悪くなるでしょうから、いかに手持ちの資源で効率的に質の高い保育を提供するかを考えなければいけない時期が来るはずだからです。そういったことを考えられる人材を育てることは、業界全体の底上げにつながるはずです。

あー、これもまた独りよがりかもしれません。

地域の全保育所の特徴が分かる一覧を作成する

実習生を送り出す養成校の先生と少し話をした時に感じたことです。

「養成校の生徒さんたちがどうやって実習先や就職先を選んでいるのか?」という問いに対して、「とりあえず家から通えるところ」とか「ホームページを見て」とか「自分の出身園」とかの理由で選んでいるそうです。

その結果、自分のパーソナリティーや持ち味と実習先・就職先とがミスマッチを起こして早期退職につながっている事例が多いそうです。

それならば最低限、受け入れる側の保育園がどんなところなのか、どんな特色があるのか、どんな人を求めているのかが一覧で見えるようにしておかないと、いつまで経ってもミスマッチが解消されず、早期退職と緊急の求人が必要な状況が変わりません。保育士を目指した学生は最初の就職先や実習先で「保育園の仕事は自分に合わない」と勘違いしてしまいます。保育園も「新卒は使えない」とおかしな認識を持ってしまいます。また、保育園は人が足りないからお金をかけて求人を出してお金をかけて採用して経営状況が苦しくなり、既存の職員にサービス残業や過度な業務負荷を掛けたりして悪循環が続きます。

産みの苦しみはあるかもしれませんが、人が経営資源の大半を締めている保育業界に置いて、どんな職場であるかを知ることは非常に重要です。取り組まなければいけないことだと思います。

委託費の請求書のテンプレート作成と販売

市町村で委託費の請求書の書式が異なっていることは国の審議会等でも問題視されています。当園も複数の市から別々の書式で請求書が送られてくるので、それぞれに合わせて金額の算定をして請求書を作成しています。もちろん、市町村側でかなり園の業務負荷が下がるように工夫していただいているのですが、いっそのこと全国的に統一フォーマットにしてくれればと思っています。

そして、園児数や公定価格単価だけ入力しておけば請求書が自動生成できるようなテンプレートを作ってしまえば、縁側の業務負荷も下がります。

本来であれば処遇改善等加算の加算見込額や加算実績額も自動計算出来ると一気に事務作業が簡略化されると思うのですが、こちらは結構大変かもしれません。でも、実際に昨年度については当園では自動計算したものでほとんど申請を完了させましたので、出来ないものではないと思います。

月案・週案の作成ツールを作る

月案や週案の作成は保育士にとっては大変な作業の一つかもしれません。業者も作成していると思いますが、結構な額の利用料を支払わなければいけないため、なかなか利用が進まないのではないかと思います。

これは当園だけの問題かもしれませんが、まず、パソコンやスマートフォン、タブレットの仕様にアレルギーが有る職員が多いと感じています。手書き命で手書きのほうが早いと言い切って、なかなかITの恩恵を知ろうとしません。こういった人たちにとっても「メリットが有るな」感じられるツールを作ることができれば、一気に業務負荷が下がるのではないかと思います。

余談ですが、当園の職員が勤務時間が過ぎているのに保育園に残って月案を書いていたので「大丈夫?」と声をかけたら、「大丈夫です。家に持ち帰ってやっている作業を保育園でやっているだけですから」と言われてしまいました。面と向かって嫌味を言われてしまったのでちょっとイラッとしてしまいましたが、現実をよく見ることが出来ました。これについては何かしら対策が必要だと思っています。

後は何をどの順で取り組むかを考えるだけ

自分に与えられている時間は有限でそれほど多くないため、何から取り組むのかを決めることがとても重要です。一つひとつの作業をいかに効率的に取り組むのかを考え、付加価値を最大化するための工夫が必要です。

同意してくれる人や共感してくれる人と一緒に取り組むことができれば一番心強いですが、とにかく出来ることからやっていこうと思います。

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