とある園長先生と「マネジメントとは何か?」について話をする機会があった。その園長先生曰く、

  • 「マネジメント」とかっこいい言葉を使っているが、結局やることは今までどこの園長もやってきたことじゃないの?
  • 組織を動かすために職員を叱咤激励したり、教育したりしてきたし、お金がちゃんと国から降ってくるように団体交渉などをして圧力をかけたりしてきたのだから、いまさら「マネジメント」とか言わなくても、園長連中はみんなわかってるよ
  • 営利企業はとにかく利益を追求することだけが至上命題になっていて、会社の企業理念などは社長の美辞麗句に過ぎなくて、社会福祉法人とかの存在意義と比べたら天と地ほど差があるよ
  • 会社みたいなところで「マネジメント」がもてはやされているけど、非営利組織の場合はマネジメントとかを考えるよりも「理念こそが大事」なんだよ

といった話が出た。

まあ、そういう考えもわからないではないが、根本的に「自分の考えと異なる意見は受け入れたくない」というのがあるのかなぁとも感じた。

確かに非営利組織と営利組織とでは「利益の追求」という点で大きな差があるかもしれない。一方で、「マネジメント」が手段であることを考えると、非営利組織と営利組織とで違いはないはずだというのが、私の見解です。

この園長先生は「営利企業の企業理念は”おためごかし”または”美辞麗句”に過ぎない」と言ってのけました。確かに綺麗ごとのように聞こえるかもしれませんが、私のように実際に営利企業で働いてきた人からすると、その企業理念に共感してその企業に就職した人たちをバカにしているように聞こえました。

同じような飲料メーカーでも、その企業のミッション・ビジョンは異なっているでしょうし、同じような飲料でも企業理念に共感できない会社からは買わないという消費者も少なからずいるのです。(もちろん大半の消費者は味や価格によって選択しているでしょうが)

日常生活においてその企業の理念を意識することは殆どないと思います。意識するのは同様の商品であれば価格の差はどれくらいか?味や品質の差はどれくらいか?などにあると思います。

例えば保育園を選択する際に、その保育園の理念で選択している人はどのくらいでしょうか?

大半の保護者は自分が送迎しやすい場所にある保育園の中から選んでいるのではないでしょうか?遠くても不便でも理念に共感できるから選択したという保護者は何割程度いるのでしょうか?

2019年時点では待機児童が多数生じており、預けたくても預けられない状況にあります。したがって、「入れるのだったらどこでもいい」という保護者も多数いるでしょう。ですが、例えば「どこの保育園でも預けられる」ような状況になったとき、保護者はどんな選択基準で保育園を選ぶでしょうか?一般に売られている商品と異なり、保育料はどの保育園でも同じです。保育環境は各園で異なっています。理念も異なっています。送迎の便利さも各園で異なっています。

保護者は何を基準に選ぶのでしょうか?

マネジメント
おすすめの記事