保育園の収益の増やし方

前回の記事の続きになりますが、保育園は利益を出すべきと考える私が経営者としてしなければならないことは、費用を抑えることだけでなく、収益を増やすことです。

今回は具体的にどうやって収益を増やすのかについて考えてみたいと思います。

 

保育園(認可保育所)の収益構造

保育園特に認可保育所の場合、収益を得るために出来ることは少し限られています。

なお、収益事業を行っている場合はそこからの収益がありますが、ここでは一旦考慮対象外としています。(私自身が取り組んだことがないため詳細を知らないということも理由です)

 

在所子ども数を増やす

一番簡単な方法で、かつ、効果が高いのは在所子ども数を増やすことだと思います。

在所子ども数は次の方法で増やすことが出来ます。

  1. 新規に入所する子どもを増やす
  2. 対処する子どもを減らす

単に子どもの数を増やせばよいというものではありません。しっかりとその子どもたちに良い保育を提供できるようにしなければならないので、保育士等のスキルも向上させていかなければなりません。

これは子どもたちですし詰めになっている保育室で保育士が大声で怒鳴っているところをイメージしてもらえればよいかと思います。こんな環境では子どもたちに良い保育ができているとは言えません。大きな声で怒鳴らなくても子どもたちが思い思いに遊ぶことが出来、ある程度生活リズムを保育士側でコントロール出来る状態にするための、保育士のスキルアップが必要になります。

加算を獲得する

認可保育所であれば委託費に関する各種加算を取ることで収益を増やすことが出来ます。

主任保育士専任加算や所長設置加算などそれなりに大きな金額を取ることが出来る加算がたくさんあります。少学校接続加算などは工夫次第でそれほど難しくなく取ることが出来るものもたくさんあります。

一方で、書類の準備や制度の変更などある程度経営者が頑張らなければならない部分があることも事実です。しかし、認可保育所としてかなり優遇された立場にある以上、その点について経営者は頑張らなければならないと思います。

補助金を獲得する

都道府県や市町村、社会福祉協議会などが独自に設定している補助金は要件が厳しいものもたくさんありますが、ほとんどの補助金は子どもたちやその保護者にとってメリットになることを目的として作られているものです。獲得するためには労力がかかるものがたくさんありますが、狙っていったほうが良いと思います。

一方で補助金は毎年出るかどうか定かではなく、自治体などの財政状況によっては減額や廃止となることもあります。補助金だけを頼りにした経営は少し不安定なため注意が必要です。

助成金を獲得する

企業や団体などが公益目的で放出している助成金も場合によっては使えます。

まずはどのような助成金があるのかを知り、助成金を獲得するために何を取り組まなければならないのか、新たな負担や制度の変更はどの程度なのかを見極めて使えるかどうかを判断しなければなりません。

付帯サービス収入を増やす

保育を本業とする保育園では英語教育や体操教室、フラッシュカードなど「学習」は必ずしも必要ではないと思います。これは考え方にもよるのですが、IQではなくEQを伸ばすことを大切にしたいと考えている私からすると、就学前の時期にあえてこれらの「学習」をする必要はないと思っています。

一方で、今も少なくない保護者にとって「保育園で英語教育をしてくれる」「体操教室を開いてくれる」ということはとても魅力的に映るようです。確かに「我が子に英語が使えるようになってほしい」とか「丈夫な体に育ってほしい」とか「運動で周りの子達から置いていかれないようになってほしい」と思う気持ちもわかります。ですが、就学前の今の時期に一番伸びる部分はそこではないと思っています。

話が逸れましたが、英語教育や体操教室などの「付帯サービス」に関する保護者のニーズがあることを踏まえると、収益を増やすためにこのようなサービスをすることも一つの方策です。

 

何のために収益を増やすのか?

いくつか収益を増やす方法をご紹介しましたが、実際に取り組むとなったらしっかりと考えて取り組まなければならないものばかりです。

ですが、最も大切なのは「何のために収益を増やすのか?」という根っこの部分です

収益を増やすのは利益を増やすため、利益を増やすのは子どもたちにより良い保育をするためであったはずです。

収益を増やすためにより良い保育と違う方向に進んでしまったら本末転倒です。目的と手段が逆転してしまっています。その点を忘れないように取り組んでもらえればと思います。

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