想定と違うことを楽しむ

想定外は苦しいですか?

私個人としては、想定外のことは出来る限り無くしたいと思っています。ですが、そんなことは到底できないとも感じています。子どもたちや職員の皆さんが自分の想定どおりに動くことなど殆どありませんし、人数が数名であってもその全てを想定することは到底出来ません。

また、自分で計画して自分で実行するときであっても、計画通りに進まないことのほうが多いのではないでしょうか。だとすると、想定外に一つ一つ苦しんでいるのではとても生きづらいのではないでしょうか

 

楽しいから出来る

以前研修で東京おもちゃ美術館館長の多田千尋さんの話「心が動けば体が動く」というものがありました。本当にそのとおりだなぁと思います。誰しも自分が得意なことや好きなことは進んで取り組むのですが、苦手なことや嫌いなことはなかなか取り組めないものです。

一方で、「作業興奮」というものがあります。なかなかやる気が出ないときに、とりあえず簡単ですぐに取りかかれるものから「やってみる」ことでやる気が出てくるという脳科学の考え方があります。

やる気が出てくると作業が楽しくなり、更にやる気が出てきて楽しめるという好循環が生まれます。一度好循環に入った経験をすれば、脳の中に「快感」の記憶が残るので、次も同じ「快感」を得たいと感じるため、より少ない抵抗感で作業に取り掛かることが出来るようになります。

 

想定外を楽しむために

想定外のことが起きたときには誰しもが戸惑いややりにくさを感じると思います。その想定外を乗り越えたときには、記憶と深層心理に非常に強いインパクトを残します。悪い印象でも良い印象でも強く残ってしまうので、過去に想定外の出来事に対して悪い印象を強く残してしまった人は、想定外を極端に嫌がるのかもしれません。

初めにも書きましたが、どんなことをしていても想定外は起きます。逆に想定内で収まることのほうが少ないのではないかと思います。それならば、想定外を思い切り楽しんで見たら良いのではないかと思っています。

想定外のことは想定内のことよりも失敗する可能性が高くなります。失敗を恐れて何もしない人は実は想定外を恐れているだけなのかもしれません。

失敗しても大丈夫、想定外のことが起きて思った結果と違ったとしても大丈夫、という安心感を持つことが出来れば、想定外も「新しい経験」として楽しめるような気がしています。

 

経営者として出来ること

職員には想定外のことを恐れすぎず、失敗も含めて経験を重ねてもらうことが大事だと思っています。そのために経営者は「職員が失敗すること、うまくいかないこと」を予め織り込んでおきどんな事が起きてもリカバリーできるように腹を決めておくことではないかと思っています。

また、一度失敗した職員に対して、「次からどうすればうまくいくのか」をしっかりと考えて実行することが大切なのだという認識を持ってもらうことではないかと思います。

 

人は「心地よい体験」を繰り返したいと感じるものです。「失敗をしてもチャレンジして、次に同じような出来事が起きたときに成功した」という体験はとても心地よいものです。何度もそんな経験をさせてあげられる組織であれば、そこで働く職員はとても心地よく仕事ができ、ぐんぐん成長するのではないでしょうか。

 

そのために人的・資金的な余裕を作っておくことが必要になります。経営者として出来ることは職員を叱ることや失敗を咎めることではなく、失敗を許せる人的・資金的・心理的な余裕を作ることではないでしょうか。

 

 

 

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