保育の世界では定型的な業務と非定形の業務のどちらが多いのだろう?

定型的な業務としては、検温、視診、おむつ交換、食事の介助、手洗いの援助、トイレの援助などがあるだろうか。連絡帳の記入、個人記録の作成、保育計画の策定などは定型的な業務と言えるかもしれないし、非定形業務となるかもしれない。

非定形業務としては、環境の見直し、子どものことを見守ること(観察)、子ども同士のイザコザへの介入、子どもの感情が高ぶっているときの安らぎを与えること、保護者とのコミュニケーション などがあるだろう。手遊び、わらべうたなどは定形業務と言えるかもしれない。

定形業務には「マニュアル」が有効に機能するだろう。決まった手順で進めることで間違いなく行えるようになるし、経験の浅い職員であっても一定の水準で業務ができる様になるだろう。一方で、非定形業務には「ルール」が必要になるだろう。ここでの「ルール」とは、「ここまでは出来ていないといけない」を示すもので、個別具体的なやり方についてはそれぞれの状況に合わせて臨機応変に対応することを認めるものだ。

こうやって考えてみると、最初に分類した定形業務と非定形業務の区別は本当に妥当だろうかと疑問に思えてくる。果たして定形業務などあるのだろうか?子どもの姿は一人ひとり異なっているし、一人ひとりが毎日違う姿(情緒に変動があること、成長していくことの両方を含む)であるのだから、「決まった手順」で進めることが妥当でない場合も起きるような気がする。

経営者としては、できるだけマニュアルに落とし込んで誰でもが大きな苦労なく一定水準の業務を行えるようになってもらいたいと思う気持ちはある。しかし、前述した通り、マニュアル化でより良い保育ができるのだろうかという疑問もある。そこで、「ルール」の方を大切にしなければならないのではないか?と今は考えている。

 

「ルールを決められると、そのルールに書いてあることしかしなくなりますよ」
「ルールだけを覚えてしまって、遊びを発展させようとしなくなりますよ」

このようなありがたいご指摘を当園の職員からもたくさんもらっている。確かにそういう面は有るだろう。

もし仮に、「ルールは最低限出来なければならない部分しか書かない。仮にもっと良い方法やもっと保育目標に合っていて面白そうな方法があったら積極的にルール違反しても良い」となったらどうだろうか?

日本人の保育士さんは、みんな真面目で誠実な人たちなので、「ルールは守らなければならない」と強く思っているような気がする。私個人としては、「ルールが現実に合っていないのであれば、とっとと変えちゃえばいいのに」と思っている。乱暴だろうか。

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